他院では、勤務医などがインプラント手術を担当することもあります。
当院は、症例によって大学教授等に来ていただき、インプラント手術を担当することがあります。
ただ手術後の経過は、院長が責任を持って治療致します。
インプラントとは
歯を抜いた際に、その失った部分を補うための治療法の一つです。
インプラント治療ではまず、100%に近い純チタンでできた人工歯根(インプラント体)を歯のなくなった部分の骨に埋め込み、抜いてしまった歯の根の代わりを作ります。その上に差し歯の要領で歯を作ってゆきます。もう一度ご自分の歯を作るようなものですから、咬み心地はほぼご自分の歯と同じです。
インプラント治療は、歯を失った部分のみを治療する方法ですから他の歯に侵襲を加えることはありません。そして、しっかりと固定された、硬いものも咬むことのできる歯を回復することができるのがインプラント治療です。
診断が必要ですが、失った歯をその日にインプラントの歯に置き換えることが可能です。
歯を喪失した患者さんには、骨が十分にあればインプラント埋入後すぐに歯を装着します。また、歯を抜いてすぐにインプラントを入れて新しい歯を装着することも可能です。最新のデジタルX線検査により診断します。
最近ではスタートから約2時間で入れ歯から固定式の歯にできる、
All-on-4(4本のインプラントですべての歯を支えます)の方法があります(下図参照)。
時間と費用を節約できます。
下顎に4本のインプラント
を入れます。4本のインプラントを
埋入しました。型を取ります。
スクリューでインプラントに固定式の歯を固定します。
インプラント治療方法
1回法
1回法は、インプラント体を埋める手術のときに、大きめの蓋(キャップ)取り付け、
お口の中にその蓋が見えるようにして終了します。
2回法
2回法では、手術の時には小さめの蓋をして歯肉の中にインプラントをしまっておいて、そのまま治癒させます。
治癒期間終了後に、再度歯肉を少し切って、大きめの蓋に交換する手順が入ります。
ですから、この方法を2回法と呼んでいます。
1回の方が手術が少なくて良いではないか、と思われると思いますが、骨の移植が必要であったり、細菌感染のリスクの高い場合などにはこの2回法を用いる方が安全であることがあります。最近では加えて、診断技術や、治療技術、器械類の発達によって、骨の状態が良い場合には手術の当日に仮歯を装着してしまう方法なども行われるようになっています。
また、骨の少ない、そのままではインプラントを埋めることのできない患者さんに対しても、骨の移植、再生術も研究されてきています。以上の方法は、インプラント治療が確立してからこれまで行われてきた、インプラント治療の基本的な方法です。
インプラント治療を一貫してサポート「ノーベルガイド」
ノーベルガイドとは
CT撮影データとシュミレーションソフトウェアを組み合わせて、治療計画をサポートするコンセプトです。手術の前に骨の形態や質、神経の位置等を把握し、安全・安心な治療をサポートします。
また、計画通りにインプラントを埋め込むために、患者さんごとにサージカル・テンプレート(手術用補助器具)を作製して使用する場合もあります。
ノーベルガイドの利点
ノーベルガイドを利用した治療の流れ
1.CT撮影
CTとはX線を利用して体内の断面図を撮影する技術で、
立体的に神経、血管、骨などの様子を 握することができます。
骨の形や質、高さや幅には個人差があります。
また、骨の中には神経や太い血管が通っています。
2.コンピューター上で治療を計画
CT撮影データから得られた情報をもとに、
神経や太い血管を避けながらインプラントの埋め込み位置を計画します。
埋め込むインプラントのサイズや、角度、深さ等を
ソフトウェアでシュミレーションします。
3.治療方法・費用のご説明
歯科医師が、画像をご覧に入れながら
治療の計画内容や費用の詳しい説明をします。
4.インプラント手術
治療計画に基づいてインプラントを埋め込むために、サージカル・テンプレートをお口に取り付けます。そして、インプラントを埋め込みます。
インプラントを埋め込んだ日に仮歯をつけて帰宅できる場合もあります。
5.最終的な歯の取り付け
インプラントと骨が結合している良好な状態を確認した後、
最終的な歯を取り付けます。
※注意事項
ノーベルガイドは、安全・安心なインプラント治療をサポートするためのシステムです。
インプラントの手術には様々な方法があり、必ずしも記載されている方法で行われるとは限りません。
インプラントのメンテナンス
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のブラッシングが必要ですが、その他に年間2~4回来院していただき、
専門医による下記の項目のチェックが必要となります。
・インプラント周囲に汚れが付着していないか
・インプラントと自分の歯の咬み合わせがうまくいっているか
・歯肉炎や歯周病(歯槽膿漏)が進行していないか
・歯ブラシが的確にできているか
医療費控除の案内
インプラント治療は高額治療となっておりますが、全て医療費控除の対象となります。
これは、その年に行われた医療費や交通費に対して、年200万円までなら翌年申告することにより医療費の一部が還付される制度のことです。
>>医療費控除について詳しくはコチラをご覧ください。
インプラントはどのくらい持ちますか?
専門医が行った治療であれば、インプラントの歯を入れてから10年間で97%以上の成績を上げています。
しかし、ご自身の歯でもそうですが、治療後の清掃や定期的な検診はかかせません。
インプラントの埋入はどのくらいの時間がかかりますか?
1本で10~15分位です。骨が固い場合や骨の移植を必要とする場合はさらに5分くらい必要です。
インプラントの治療期間はどのくらいですか?
通常はインプラントを骨に埋入して歯が入るまでで、約3ヶ月です。
歯を抜いたその日にインプラントと歯を入れる方法もあります。
(骨の質が良ければの場合です)
インプラントはやり直せますか?
ルートタイプ(歯根タイプ)の歯であればやり直せます。経過不良のインプラントはやり直しは早目をおすすめします。
手術は痛くありませんか?
手術は十分な局所麻酔を使用しますので痛みは伴いません。麻酔時の最初に痛みも表面麻酔を用いることにより無痛です。痛みを我慢して手術を行うことはありません。
手術後腫れますか?
手術後2日目に少し腫れる場合があります。腫れの程度はインプラントの本数、骨の固さにもよります。腫れたくない人には腫れを抑える薬を飲んでいただきます。
インプラントの材料は何ですか?
純度の高いチタン製です。これは40年以上も前から使用され、錆びるなどの問題もなく、生体内で安定していることがわかっています。
チタンのアレルギーはありますか?
インプラントは純度の高いチタン製ですがアレルギーはほとんどありません。目安として、口腔内にいろいろな金属が使用され、粘膜が赤くなったり、ただれたりなどの問題ない患者さんは心配ありません。ご心配な方はパッチテストもあります。
インプラントの日ごろの手入れは大変ですか?
自分の歯と同じような手入れで十分です。歯科衛生士による清掃指導やクリーニングを定期的に行っています。
義歯が食事中動きますが、安定させることができますか?
義歯の下にインプラントを2-4本入れて、これに磁石(マグネット)やクリップ、バーを付けて義歯が動かないように調整します。
上の義歯が大きいのですが小さくできますか?
インプラントにより維持することにより義歯を小さくできます。これにより上あごに違和感の少ない義歯ができます。